コロナ肺炎のセルフチェック!


 一言でいうと… 

 

✔ 新型コロナの感染でインターロイキン6など免疫力が暴走すると、肺だけではなく心臓にも作用し、脈のリズムが乱れることがあるので、チェックすべきだ。

 

✔ 寒いプールに入ると唇が紫色になるが、これは動脈血の流れが一時的に悪くなっているだけで、肺炎が悪化して唇が紫色になるのとは、医学的にはまったく異なる現象だ。

 

✔ 肺炎が悪化し酸素を吸収できなくなると、ヘモグロビンに酸素が結合していない静脈血と同じ血液が動脈にも流れるため、唇が紫色に見える。

 

 


 

毎週、水曜日の文化放送「SAKIDORI」と、木曜日のFM「ハッピーモーニング」で健康解説をしています。

2020年5月6日と7日にお話した内容から、このページでは後半部分を抜粋して、ご紹介しています。

 


【キャスター】

先日、厚労省から「緊急性の高い症状のチェックリスト」が公表されましたが、先生のお考えはいかがですか?

 

 

 【吉田たかよし】

「胸の痛み」とか、「少し動いただけで息苦しい」、あるいは、「もうろうとしている」とか、

チェックポイントが、13項目、ありましたね。

 

うちのクリニックの患者さんに、意見を聞いてみたんですよ。

 

「そんなの、今さら政府にいわれなくても、そりゃ、重症だってわかるよね、という項目が多かった」という感想でしたね。

 

でも、中には、これは、しっかり頭に入れておいてほしい項目もあったんです。

 

 

その最たるものが、「脈のリズムが乱れる」という項目。

 

これ、要チェックですね!

 

 

ドッキンドッキンという、心臓の鼓動が乱れるということで、

一見、肺炎とは関係なさそうに見えます。

 

でも、心肺機能といって、肺と心臓は、セットになって、全身に酸素を送り届けているので、

肺炎が重症化すると、不整脈が起こりやすくなるんです。

 

 

もう一つ要因は、先ほどご紹介したインターロイキン6を中心に免疫力が暴走すると、それは肺だけではなくて、心臓にも悪影響を与えるんですね。(詳しくは⇒https://www.doctor-yoshida.net/corona5/

 

だから、不整脈を起こすということです。

 

この2つの点で、脈のリズムが乱れるというのは、肺炎が重症化したサインになるわけですね。

 

 

脈のリズムの乱れって、具体的にどんな感じなのかというと、急に胸がドキンとする。

 

心臓は、余計なところで鼓動を打つと、ドキンとした違和感が出るんですね。

 

それから、運動したわけでもないのに、鼓動が早くて、ドキドキするということもあります。

 

 

健康な人も、一日に何回かは不整脈を起こします。

 

でも、頻繁に起こる場合は、肺炎が重症化したサインになっている可能性があるわけです。

 

 

 

それから、もう一つ、大事なチェックポイントとしては、「唇が紫色になっている」ということ。

 

寒い日にプールに入ったら、唇が紫色になったこと、ありませんか?

 

これは、単に寒くて体の表面に、赤い動脈の血液が流れてないだけです。

 

実際、温かくしたら、すぐに赤い色に戻ったでしょ。

 

 

こういう経験をしているから、こんなの大したことないよねと油断しがちなんですよ。

 

でも、肺の機能が悪化して、唇が紫色になるのは、意味が全く違うんです。

 

 

肺で酸素が十分に吸収できなくなると、血液中のヘモグロビンに酸素がくっつかない。

 

その結果、色が赤ではなくて、青色になるんです。

 

 

だから、酸素を使ったあとの血液が流れる静脈は、皮膚の上からでも、赤ではなくて、青く見えるでしょ。

 

でも、肺の機能が悪化すると、静脈だけではなく、動脈にも青い血液が流れて、唇が紫色に見えるわけです。

 

 

新型コロナの感染が収束するまでは、顔を洗うときに、意識して、唇の色をチェックしてほしいですね。