第21回:イチロー選手の朝食の秘密!(6月21日オンエアー)

・シアトル・マリナーズのイチロー選が日本選手初のメジャー通算2500安打を達成。
38歳の今でも世界最高峰の大リーグで活躍できるというのは、すごい。
ご本人の才能や努力、そして周囲のサポートが、すべて歯車があって、実を結んだのだろう。
その中で、私が注目しているのは、食事のとり方、特に朝食。
今朝は、イチロー選手から、朝食の極意を学びたい。


・イチロー選手は、数年前まで、毎朝、カレーを食べていたというのは、よく知られている。
これは、医学的にも実に理にかなったことだった。
実は私は、「なぜ東大生はカレーが好きなのか」(祥伝社)という本を出している。
その中で、カレーが脳機能を高める効果が研究で実証されていることを解説している。
東大生がカレーが好きだというのも、東大生の間ではよく知られている。
東大生もイチローも、カレーによって脳機能を高めて、勉強や野球のプレーに生かしていると考えられる。


・では、具体的には、カレーの何がいいのか。
カレーには、クルクミンという成分が含まれている。
これが、脳機能を守る働きをする。


クルクミンの作用は、元々、アルツハイマーの研究から明らかになってきた。
アメリカ人とインド人が、どれくらいアルツハイマーになりやすいか、比較する研究が行われた。
その結果、人口あたりの発病率は、なんとインド人はアメリカ人の25%。
四分の一しか発病しないというのは、すごいこと。
インドといえばカレーだということで、カレーの成分を詳しく調べたら、クルクミンの効果が見つかった。


・脳の中では、マクロファージという白血球の一種が、お掃除をしてくれている。
クルクミンは、マクロファージの機能を高めてくれるので、アルツハイマーになりにくい。
この他にも、カレーには脳機能を高める働きがあり、イチローがカレーを食べ続けたというのは、医学的にも合理的な方法だった。


・ところが、イチロー選手は、数年前に、朝食にカレーを食べるのをやめたそうだ。
今では、ソウメンなどを食べているそうだ。
実は、これも医学的に理にかなっている。


・カレー自体は脳機能を高めるが、日本のカレーには大きな欠点がある。
それは、脂肪分が多いこと。
インドは脂肪分が少ないスープ状のカレーが多いが、日本のトロトロしたカレーは、牛や豚の脂肪分が多い。
やはり、30代半ばを過ぎると、スポーツ選手といっても、脂肪分の取りすぎになる。
その点、ソウメンは炭水化物なので、運動選手の朝食としては、理想的。


・ただし、運動しない人は、血糖値が上がりすぎるので、普通のご飯のほうがいい。
脂肪分の多いカレーライスでなく、脂肪分の少ないカレースープがおすすめ。