第4章「地球外生命がいるかどうかは、リン次第!」より、抜粋
・・・リンという元素が、太平洋に浮かぶ美しい「天国の島」を、「本当に天国に行ってしまう恐ろしい島」に変えてしまいました。
この国では、一時期、税金は一切なし。
しかし医療も教育も電気代も全て無料。
さらに、手厚い年金が支給されていました。
普通、年金というと、リタイアしたお年寄りに支給されるものですが、この島ではなんと現役の方も含め全国民に支給されていました。
まさに「天国のような島」だったのです。
なぜ、そんな夢みたいなことが実現できたかというと、島のかなりの部分がリン鉱石によってできていたからです。
これを掘り出して輸出することにより、巨万の富を得した。
では、そのリン鉱石は、どうしてできたのでしょうか。
実は、リンを運んできてくれたのは、アホウドリでした。
アホウドリは海で魚を食べ、ナウルに戻ってきて糞をします。
魚にもリンは豊富に含まれているので、当然、糞にも含まれているわけです。
現在、この島では、「天国の島は、本当に天国に行ってしまう島だった」という笑えないブラックジョークが語られています。
なんと男性の67.5%、女性の場合は74.7%が肥満になっており、WHO(世界保健機関)の統計では、ともに肥満率は世界1位です。
これにともなって、生活習慣病による死亡率も跳ね上がり、・・・
第4章「地球外生命がいるかどうかは、リン次第!」より、抜粋
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