今日のテーマは「メタ認知能力」です。
この能力を使って集中力の低下を防ぐという、合格をつかむためにとても大事な方法についてお伝えしようと思います。
「メタ認知脳力」を皆さんご存じでしょうか?
「認知の認知」という意味です。
ちょっと複雑かもしれません。
「メタ」とはラテン語で一段高いところ、上といった意味なんです。
人間は物事を考えたり、感じたり、脳の働きを認知力と言いますが、認知している自分を認知するという意味なんです。
わかりやすく言うと、例えば試験中にあせるとします。
ただあせるだけではなくて、自分は今「あせりすぎているなー」と自分自身で心の状態を判断できます。
これが「メタ認知能力」です。
あせっている自分を一段高い所から自分の状態に気づくということです。
自分の認知の状態を上手に修正するために、この能力を人間だけが持っているんですね。
試験の時に、自分は今あせっているな、自分はイライラしているな、あるいは調子に乗りすぎて考え方が上滑りしているなといった自分の状態を客観的にとらえることが特に重要なんですね。
そうすることによって、適切な状態に自分の認知力あるいは心の状態を修正することができるわけですね。
試験で大失敗してしまったという方は、このメタ認知能力が試験中にうまく働いていないことが原因なっているんですね。
では、具体的にどうしたらよいのか?
お勧めするのは、大問を1問解くごとに「自分の状態はどうなのか?」ということをもう1度振り返ることです。
小問ごとにこういうことをやっていると、時間がもったいないですね?
大問ごとにチェックするくらいがちょうどいいんです。
メタ認知能力を発揮するといっても、15秒とか20秒でいいんですが、ちょっと一呼吸置いて、この大問一問を解いた時の自分はどうだったのかということを今一度振り返ることをしてみて下さい。
問題を解いている途中も、すごくあせっている、あるいはイライラしていると思ったら、自分の判断能力で、一段高い所から冷静にしっかり自分をチェックする。
メタ認知能力という言葉通り、一段高い所から自分を見下ろしているようなイメージを持つと、自分を客観的にみられます。
このようなイメージトレーニングも効果がありますね。
是非試験の最中に自分のメンタル状態を安定化させることによって、合格をつかみ取って下さい。
受験医学研究所
代表 医学博士 心療内科医師 吉田たかよし
http://www.juken-igaku.com/