「元素周期表で世界はすべて読み解ける」(光文社新書)
突然ですが、みなさん、京都の街をお散歩したことはありますでしょうか。
実は、周期表の魅力に惹かれるようになった私の原点は、京都の街にあったと思うのです。・・・・・・【続きを読む!】
カリウムは、神経や筋肉の細胞を働かせるため、人体にとって不可欠な元素です。
ですから人体は、積極的に体内に取り込もうとします。
そのとき人体は、一番外側の電子の数が同じセシウムを、カリウムだと間違って体内に取り込んでしまうのです。・・・・・・【続きを読む!】
骨髄では、大量の赤血球や白血球を量産するため、猛烈な勢いで細胞分裂が行なわれています。
体外からの悪影響を受けにくいだろうということで、わざわざ体の奥にある骨のさらにその真ん中に、赤血球や白血球の工場をつくったと考えられます。
ところが、放射性ストロンチウムを取り込むと、そのすぐ近くから大量の放射線が当たってしまうのでたまりません。・・・・・・【続きを読む!】
私たちをとりまく元素は、どこで生まれていると思いますか。
実は、一部の例外をのぞき、天然の元素は地球上ではつくられません。
人体を構成している元素は、ほぼすべてが宇宙に由来しており、その種類と割合から、宇宙の成り立ちをも知ることができます。・・・・・・【続きを読む!】
私が量子化学を使って取り組んでいた研究テーマは、「おうし座暗黒星雲」でどのような化学反応が起こっているかということでした。
私たちのグループがこの研究に取り組んだ理由は、「生命の元になるアミノ酸が宇宙で誕生した」ということを証明したかったからです。・・・・・・【続きを読む!】
多くの候補となる金属から鉄を選んで命を託したのは、存在量が多かったという一言に尽きます。
もし宇宙がコバルトだらけだったら、人体はコバルトで酸素を運んでいた可能性が高いと思います。
そうしたら、私たちの血液はコバルトブルーだったのかもしれません。・・・・【続きを読む!】
亜鉛は、宇宙にも比較的多く存在しているため、人体も積極的に利用しています。
一方、カドミウムや水銀は宇宙で誕生した量が圧倒的に少なく、人間が文明を持ち鉱物を掘り出すまでは、人体が触れる機会はほとんどありませんでした。
このため、亜鉛は健康のために積極的にとるべき元素になったのに対し、カドミウムと水銀は人体にとって毒となってしまったのです。・・・・【続きを読む!】
カリウムを豊富にとっているときは、カリウムと連動してナトリウムの再吸収が抑制され、結果として尿と一緒に捨てられるナトリウムの量が多くなるのです。
腎臓にこうした仕組みが組み込まれているのは、人体が周期表の中で上下に隣接したナトリウムとカリウムをセットにして管理してきた歴史の名残だと考えられます。・・・・【続きを読む!】
量子化学では、元素の性質や化学反応を数式で解き明かします。
理論的には、地球上はもとより、宇宙も含め、すべての化学反応は、量子化学による数式で表せるはずなのです。・・・・・・【続きを読む!】
最後に、本書の締めくくりとして、周期表にまつわるクイズを出題しましょう。
「アメリカ、フランス、ロシア、ドイツ、ポーランドにはあって、日本にないものがあります。それは何でしょうか?」
もちろん、元素に関することですよ。・・・・・・【続きを読む!】
第1章 周期表には何が書かれているのか―――――19
元素周期表は両サイドから攻めろ! 20
縦に似る典型元素、横に似る遷移元素 21
未知の元素の予言 24・・・・・・【続きを読む!】
リンは人体で5番目に多い元素。
DNAも骨もリンが材料。
だから、死体を土葬するとリンが気化し、自然発火して火の玉になる!
リンで火がつくマッチと同じ。
「元素周期表で世界はすべて読み解ける」(光文社新書)より
原子一個の小さな世界では、電子の位置と時間が定まらず、偶然に左右される!
天才アインシュタインも理解できず、「神はサイコロを振らない」と言い残し、死去した。
「元素周期表で世界はすべて読み解ける」(光文社新書)より
「元素周期表はセクシーだ!」 ミニ講座ビデオ
元素周期表で世界はすべて読み解ける
宇宙、地球、人体の成り立ち
吉田たかよし著
2012年10月17日発売
光文社新書
定価777円
元素周期表で世界はすべて読み解ける
宇宙、地球、人体の成り立ち
吉田たかよし著
2012年10月17日発売/光文社新書/定価777円
【内容紹介】
私たちの体、住んでいる地球、そして宇宙。この世に存在するすべてのものは、元素同士の化学反応によってできています。
これらの自然科学の摂理を凝縮した万能の道具が、周期表です。元素たちが並んだ周期表のルールは、複雑そうに見えて非常にシンプル。
「縦と横のどっちから攻める?」
「なぜ人体は取り込む栄養素を間違う?」
「元素の化学進化って何」――?
難しそうだけどなぜか気になる、周期表の仕組みが一からわかる入門書。
量子化学の基礎、内部被爆のメカニズム、レアアース、超新星爆発などの様々なキーワードも、周期表というアプローチから解き明かしていきましょう。
【目次】
第1章 周期表には何が書かれているか?
第2章 周期表から宇宙を読み解く
第3章 化学反応を繰り返す人体
第4章 私たちはなぜ、動くことができるのか
第5章 レアアアースははみ出し組ではない!
第6章 美しき気ガスと気体の世界
第7章 周期表からリスクと健康を見きわめる
読者の声
ありがとうございます!
執筆のはげみになりました!
by Dr.吉田たかよし
ドクター!『元素周期表で世界は、すべて読み解ける』、お世辞抜きで面白いですよ!個人的には希ガスや希土類に興味があるので、そこから読みはじめています。この週末に残りをゆっくり読みますね。面白い本をありがとうございます!
@doctor_yoshida 「元素周期表で世界はすべて読み解ける」は目から鱗が落ちました。でも、一つだけ質問。カリウム40による内部被曝はたいした量じゃないから大丈夫と書いてありましたが、セシウム137と同じβ線なので体重60㎏に対しての4000Bqは問題じゃないですか?
あきはるかさん、質問ありがとう。カリウム40とは、生命は38億年の間、付き合ってきたので、心配する必要はありません。人体が想定していない原発事故の放射線とは、同列に扱うべきではないのです。
5つ星 元素を知るためのお薦めの一冊です,
2012/10/20By santora9 - レビューをすべて見る
Amazon.co.jpで購入済み(詳細)
元素周期表で世界はすべて読み解ける 宇宙、地球、人体の成り立ち (光文社新書) (新書)
いろいろな本を執筆なさってる吉田たかよしさんですが、これは特におすすめ!誰もが高校の授業で嫌々ながら覚えた周期律表が、切り口を変えるだけでこんなに面白くなるとは!セシウムやらストロンチウムやらレアアースやら今までなじみがなかった元素の特性などが、軽快な切り口で語られています。文系理系関係なく元素の知識は必要。そういった点でこれはお薦めの一冊です。
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