世界は「ゆらぎ」でできている
~宇宙、素粒子、人体の本質~
(光文社新書)
(前略)・・・図に描かれている膜のような面が、私たちが暮らしている世界です。
これは、物理学ではブレーンワールド(膜の世界)と呼ばれています。
2011年、ブレーンワールドの仮説が裏づけられたのではないかと、研究者が色めきだったことがあります。
国際研究チーム・OPERAが、ニュートリノという素粒子が光速を超えたという実験結果を発表しました。
「アインシュタインの相対性理論が崩れた!」
「タイムマシンがつくれることになる!」
などと、大きく報道されたので、記憶されている方も多いでしょう。
このとき、光速を超えたことを説明できるとして脚光を浴びたのが、ブレーンワールド仮説だったのです。
実験はスイスのジュネーブ郊外にあるCERNから発射したニュートリノを、約730キロ離れたイタリアのグランサッソ地下研究所で検出したというものですが、図のように私たちが住むブレーンワールドがゆがんでいて、ニュートリノが余剰次元を利用して直線状に近回りをしたら、見かけ上は光速より速く伝わることになります。
つまり、アインシュタインの相対性理論を維持しながら、光速を超えたことを説明できるわけです。
もともとブレーンワールドに心酔していた私などは、半ば期待を込めてラジオの番組でこの仮説をご紹介し、番組を聞いていた多くの方から反響をいただきました。
ところが、それから9カ月後、思いもかけぬ形で事態は終息します。・・・(後略)
世界は「ゆらぎ」でできている
~宇宙、素粒子、人体の本質~(光文社新書)
第2章より
・アインシュタインは、相対性理論でノーベル賞をとれなかった! ⇨クリック
・ヒッグス粒子は、ジグソーパズルの最後のピース! ⇨クリック
・銀河も恒星も、宇宙の10万分の1の揺らぎから生まれた! ⇨クリック
・私たちは、ブレーンワールド(膜の世界)に住んでいる! ⇨クリック
・24時間リズムで設計したら、人類は絶滅していた! ⇨クリック
・ビッグバンは天文学者の皮肉のダジャレから始まった! ⇨クリック
世界は「ゆらぎ」でできている
~宇宙、素粒子、人体の本質~
(光文社新書)