心臓の呼吸性不整脈は、激しいほど若くて健康!

 

世界は「ゆらぎ」でできている

~宇宙、素粒子、人体の本質~

(光文社新書)



心臓の呼吸性不整脈は、激しいほど若くて健康!

(前略)・・・人体のすべての臓器の中で、揺らぎの効果を最も効率よく利用しているのは、間違いなく心臓でしょう。

 


心臓は、生まれてから死ぬまで、一度たりとも完全に休止することはできない特殊な臓器です。


しかも、心臓の筋肉は基本的には細胞分裂をすることはなく、赤ちゃんの頃に授かった細胞を一生涯、大切に使い続けるしかありません。

このような過酷な環境にあるため、心臓は呼吸に合わせ、すきあらば少しでも手を抜く涙ぐましい知恵が求められます。

これを実現しているのが、ここまで説明してきた呼吸性不整脈だというわけです。

 

ただし、この名称が大問題です。

 

呼吸に合わせて脈のリズムが変わるので、そのまま、呼吸性不整脈と呼ばれるようになったのですが、医者としては、この名称でかなり迷惑しています。

 

臨床の現場で、患者さんに少なからず誤解を与えているからです。

 

心拍の変動は病院で行われる検査項目のひとつなのですが、「あなたは呼吸性不整脈が大きいですね」というと、何だか病気のように感じて患者さんは眉をひそめます。

 

でも本当は、呼吸性不整脈が大きいほど、心臓も神経も若くて健康だと言えるのです。

 

その理由を、分かりやすく説明しましょう。・・・(後略)

 

世界は「ゆらぎ」でできている

~宇宙、素粒子、人体の本質~(光文社新書)

第2章より




 

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(光文社新書)